注意欠陥・多動性障害(ADHD)のお子さんに向けて
注意欠陥・多動性障害(ADHD)とは?
注意欠陥・多動性障害(ADHD)とは、注意力や集中力がない(不注意)、待つことが苦手(衝動性)、落ち着きがなくじっとしていられない(多動性)といった特性があります。
不注意が目立つお子さん、多動性や衝動性が目立つお子さん、そしてその両方が見られるお子さんがいます。
行動のコントロールができないのは、脳の機能の偏りが原因といわれ、注意欠陥・多動性障害のお子さんは以下の機能が弱いといわれています。
【実行機能】…目的達成のために計画を立てて行動する脳の機能
計画が立てられない、他の事に気を取られて約束を忘れてしまう、遅れそうでも行動の修正が利かないといった事が起こります。
【報酬系】…待つことをつかさどる脳の機能
待てばもっと大きな報酬(喜びや満足など)が得られるという場合でも、目先の事に気をとられてすぐに行動してしまいます。また、注意欠陥・多動性障害のお子さんは否定的な周囲からの評価に反応しやすいことが明らかにされています。一方、褒められることには鈍感だといいます。
そのため、叱られたり怒鳴られたりという状況が続くと「自分が認められていない」と感じ、ますます感情が不安定になってしまいます。
また、本人に伝わるように褒めないと自尊心も育まれにくいのです。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の特性
◆不注意◆
気が散りやすく、興味のないことや意欲のわかないことには注意が持続しないといった特性があります。
「不注意」の特性を持ったお子さんにみられる具体例として、「不注意なミスが多い」、「忘れ物やなくし物が多い」、「上の空になる」などがあげられます。
◆衝動性◆
待つことや我慢をすることが苦手といった特性があります。
「衝動性」の特性を持ったお子さんにみられる具体例として、「質問が終わるのを待てずに答え始めてしまう」、「計画的に行動するのが苦手」、「自分の欲求が満たされないと感情が抑えられない」などがあげられます。
◆多動性◆
落ち着きがなく、じっとしていられないといった特性があります。
「多動性」の特性を持ったお子さんにみられる具体例として、「授業中に席を立つ」、「椅子をガタガタ動かしたり筆箱を触る」、「いつも体のどこかを動かしている」などがあげられます。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の指導方法
注意欠陥・多動性障害のお子さんは忘れやすかったり集中力がすぐに切れてしまうといった特性があるため、一度に指示をたくさん出したり、流れがつかめていない場合何をすればいいのかわからず混乱してしまいます。
指導方法
全体の流れをつかませ、指示を1つずつ出します
今から何をするのかを明確にするために、あらかじめ全体の流れを図などで伝えておきます。その上で、指示をきちんと理解出来たかどうか確認するために、お子さんに復唱させるなどの方法で確認をします。
お子さんが全体の流れをつかんだら動作を細かいステップにわけて一つひとつこなせるように指示をしていきます。
日々の予定が確認できるように
お子さんが一人の時でも何をしたら良いのか確認できるように、予習・復習計画帳に日々の勉強の予定を書き、すぐに確認できる場所においてもらうよう指導しております。
注意欠陥・多動性障害のお子さんは同じことを同じ時間に同じ場所でするとうまくいく場合もありますので、例えば【晩ごはんを食べた後に1時間勉強する】など、大まかなルールを作るなどの工夫もしています。チェックリストを作るのも効果的です。
宿題の量や難易度に関しても、お子さんのレベルに合わせて調整しております。量は少なくてもお子さんに「宿題できた!」「終わった!」という達成感を感じさせてあげることでお子さんのやる気を高めるように工夫しております。
お子さんのやる気を高める言葉がけ
注意欠陥・多動性障害のお子さんは周囲からの否定的な評価に反応しやすいことが明らかにされています。一方、褒められることには鈍感だといわれます。
そのため、指導中の言葉がけに関しても慎重に対応する必要があります。
あすなろでは、児童相談所で22年間ご家庭の悩みに応えてきた先生とグループ共同で制作した「魔法の言葉がけ」の冊子を参考にお子さんのやる気を高める言葉がけをしております。
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