発達特性を持つお子さんのための「学びを整えるツール」

更新日：2025年10月24日 発達障害

「なんとなく困っている」…その背景に“感覚の特性”があるかもしれません

「勉強中、集中できずにぼーっとしてしまう」
こんなお子さんの様子に、保護者さまは心を悩ませていませんか？

実はその背景に、「感覚過敏」や「感覚鈍麻」などの特性が隠れていることがあります。
感覚過敏とは、「音や光、におい、肌ざわり」など、五感に関わる刺激に対して非常に敏感な状態を指します。
一方で感覚鈍麻は、逆に刺激に気づきにくく、反応が遅れがちな状態です。たとえば、教室の蛍光灯の光がまぶしすぎて集中できなかったり、暑さ寒さをうまく感じ取れず服装が合わなかったりと、学校や家庭での生活に影響が出ることも。

こうした特性は、見た目にはわかりにくいため、単なる「わがまま」や「不注意」と誤解されがちです。
でも実際には、お子さん自身も「なんかつらいけどうまく言えない」と感じていることが少なくありません。

朝、着る服が“ちくちくする”と感じてしまい、着替えが進まないことが生活リズムの乱れにつながったり、周囲のちょっとした物音に敏感で、授業中にノートを取るのが難しくなることもあります。

こうした困りごとには、環境を整えたり、道具をうまく活用したりすることでサポートできることがあるのです。

“感覚＋学び”を支える学習道具の力

視覚・書くことのハードルを下げる「まほらノート」

「まほらノート」は、感覚過敏や視覚的な刺激に配慮したノートとして開発されています。
白い紙面がまぶしく感じられるお子さんや、罫線の多さで書く場所を見失いやすいお子さんに対して、背景色にレモン・ラベンダー・ミントなどの柔らかな色を用いることで、目への刺激を軽減する効果が期待されます。

また、書く位置を示すためのガイドとなる罫線や、裏写りしにくい厚手の紙など、視覚的な負担や書くことへの苦手さに配慮した設計がなされています。
こうした仕様は、視覚過多や空間認知の特性があるお子さんのノート使用時の困りごとに対して、負担を軽減する工夫として注目されています。

単位換算が簡単にわかる「単位換算定規」

「単位換算定規」は、長さや重さ、体積などの単位換算を視覚的に確認しながら理解できる工夫がされています。
たとえば「cm → mm」「g → kg」といった換算の際に、スライドを動かすことで自動的に対応する数値が表示されるなど、目で見て手を動かしながら学ぶことが可能です。
ただ暗記するよりも、実際に手を動かし、目で見て確認することで、学びが深まりやすくなります。

読みやすさをサポートする「キハラリーディングトラッカー」

「キハラリーディングトラッカー」は、文章を読む際に行を一行ずつ見やすくする補助ツールです。
透明なプレートの中央に細長い窓があり、その部分だけ文字を読むことができる仕組みです。

文章全体を目で追うのが難しいお子さんや、文字の行を飛ばして読んでしまいやすいお子さんにとって、読みやすさを支える視覚支援として活用されています。

このツールは、教科書やプリントの上に置いて使うことで、読みたい行だけに集中しやすくなり、読み飛ばしや視線の迷子を防ぎます。
特に、読むスピードにばらつきがあるお子さんや、視覚的な情報の多さに圧倒されやすいお子さんには、効果的なサポートとなります。

自分に合ったツールを一緒に見つけていくために

ここまで紹介してきたように、感覚過敏や感覚鈍麻などの特性を持つお子さんの学びを支えるツールには、さまざまなものがあります。そして、こうしたツールは今回ご紹介したもの以外にもたくさん存在します。

こうしたアイテムを取り入れることで、「勉強ってちょっとイヤだな…」という気持ちが、「これならできるかも」に変わるきっかけになることもあります。

ただし、どんなに良いツールであっても、すべてのお子さんにとって使いやすいとは限りません。
感覚の感じ方は一人ひとり異なり、「この色は落ち着く」「この素材は気持ち悪い」といった反応もさまざまです。

だからこそ、大切にしたいのは「お子さんの声に耳を傾けること」です。
実際に道具を手にとってもらい、「どう？見やすい？」「使いやすそう？」と声をかけながら、一緒に試していく姿勢が何よりの支援になります。

お子さんが「これなら続けられる」と感じる環境を、保護者さまと一緒につくっていくこと――それが、学びの安心感と自信につながる第一歩になるはずです。

小さな「できた」が、自信につながる

感覚過敏や感覚鈍麻などは、見た目にはわかりにくく、周囲に理解されにくいこともあります。
でも、お子さんが「これなら大丈夫」「少しラクになった」と感じる経験を積み重ねることで、自信や安心感につながっていきます。

ノートや定規といった道具は、決して“魔法の道具”ではありません。
でも、「自分に合ったものを選べる」「環境を整えられる」という実感が、日々の学びや生活を支えてくれるのです。

どんな道具が合っているか、どんな環境が安心かは、お子さん一人ひとり違います。
選んで、試して、振り返る――そのプロセスこそが、支援の第一歩なのです。

家庭教師のあすなろには、発達障害に関する資格を持ったスタッフが在籍しています

家庭教師のあすなろでは、発達障害のお子さん一人ひとりの特性に適したサポートが行えるよう「発達障害コミュニケーション指導者」の資格を持ったスタッフや、専門スタッフが在籍しています。

勉強のやり方や進め方についても、一人ひとりに合わせた工夫をしていけるのが家庭教師の強みです。
お子さんに合う勉強方法についてお悩みの保護者さまは、家庭教師をやる、やらないは別にして、まずは無料体験申し込み窓口（お電話・メール）よりお問い合わせください。

お子さんの学習の状況や普段の様子、困りごとなどについてお聞かせいただくことで、私たち家庭教師のあすなろが力になれることがあるかもしれません。