小学校の通知表はなくしても大丈夫?廃止・簡略化のメリットとデメリット
更新日: 勉強方法
「通知表がなくなったら、子どもの勉強の様子をどう把握すればいいの?」
小学校で通知表の廃止や簡略化を進めるというニュースに、このように戸惑う保護者さまもいらっしゃるかもしれませんね。
実際、岐阜県美濃市では2025年度から市立小学校の1年生で通知表を廃止し、2026年度からは2年生にも対象を広げました。
また、静岡県掛川市では2026年度から小学校1~3年生の通知表を廃止し、面談を中心に学習状況を伝える方針が報じられています。
通知表と指導要録
まずこの問題で知っておきたいのが、「通知表」と「指導要録」の違いです。
通知表は、お子さん本人や保護者さまに学習状況を伝え、その後の学習に役立てるためのものです。
文部科学省によると、その扱いや記載内容、様式は各学校が工夫できます。
一方、指導要録は、在籍や出欠、学習評価などを記録する法令上の文書です。
つまり、通知表を廃止・簡略化しても、学校が日々の学習状況を確認し、必要な評価を行うことまでなくなるわけではありません。
通知表廃止・簡略化のメリットとデメリット
では、通知表を廃止または簡略化することで、どのようなメリットやデメリットがあるのかを考えてみましょう。
廃止・簡略化で期待されるメリット
大きなメリットの一つは、数字や記号だけでは伝わりにくい成長に目を向けやすくなることです。
特に小学校低学年では、学ぶ速さや学校生活への慣れ方に個人差があります。
「よくできる・できる・もう少し」といった段階だけでなく、面談や個別の記録で「どこまで理解できたか」「次に何へ取り組むか」を伝えれば、お子さんの成長を具体的に共有できます。
また、評価を周囲との順位のように受け止めて自信をなくすことを防ぎ、勉強への意欲を守りやすいという考え方もあります。
教員の負担軽減も見逃せません。通知表の評定や所見の作成には時間がかかります。
その時間を授業準備、お子さんとの対話、つまずきへの支援に充てられれば、教育の質を高めることにつながる可能性があります。
考えておきたいデメリット
一方で、通知表がなくなると、保護者さまが学習状況を一覧で確認しにくくなるおそれがあります。
面談は詳しく話せる反面、時間が限られ、口頭で聞いた内容が手元に残りにくいこともあります。
家庭学習で何を補えばよいか、学年が変わった時にどのように振り返るかが曖昧になるかもしれません。
評価の伝え方が先生によって異なれば、公平さやわかりやすさへの不安も生まれます。
実際に、2020年度から通知表を廃止していた神奈川県の小学校が、卒業生や保護者から「学習成績を数値的に示してほしい」という意見を受け、2025年度に通知表に近い形の成績表示を復活させた事例も報じられました。
さらに、通知表の作成をやめても、面談や個別資料の準備に多くの時間がかかれば、教員の負担が別の業務へ移るだけです。
紙をなくすこと自体ではなく、代わりの仕組みが継続できるかまで確かめる必要があります。
大切なのは、形式よりもお子さんの変化を見ること
通知表が廃止・簡略化された時、まず気になるのは「代わりにどのような仕組みができるのか」ということかもしれません。
ただ、各学校の方針はまだ一様ではなく、今後変わる可能性もあります。形式だけに目を向けるよりも、お子さんの学びにどう向き合うかを考えることが大切です。
家庭で把握するお子さんの様子
家庭では、テストの点数だけでなく、「以前より自分から机に向かうようになった」「習ったことを自分の言葉で説明できた」「特定の教科になると手が止まる」「宿題にかかる時間が急に長くなった」といった日々の変化を見てみましょう。
正解したかどうかに加えて、どこで迷い、どのような手助けがあると進めるのかを見ると、お子さんの得意なことや苦手なことがつかみやすくなります。
学校への伝え方
気になる様子があれば、「算数が苦手なようです」と大きく伝えるだけでなく、「文章題になると式を立てるところで止まります」「音読はできても、内容を尋ねると答えにくそうです」など、家庭で見た具体的な場面を学校へ伝えるとよいでしょう。
そのうえで、学校ではどのような様子か、今できていることは何か、家庭と学校でどのような支援ができるかを先生と一緒に確かめていきます。
家庭と学校で様子が違うこともあるため、どちらか一方の見方だけで決めつけないことも大切です。
お子さんとの会話
そして何より、お子さん本人の気持ちも聞いてみましょう。
「何ができなかったの?」と問い詰めるより、「最近わかるようになったことはある?」「困っている時は、どんな助けがあるとうれしい?」と尋ねるほうが、次の学びにつながるヒントを得やすくなります。
まとめ
通知表の有無にかかわらず、大切なのは、お子さんの小さな成長や困りごとを家庭と学校が共有し、必要な支援へつなげることです。
評価を結果だけで終わらせず、「次にどう学ぶか」を一緒に考える材料として生かしていきたいですね。
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