場面緘黙(ばめんかんもく)とは?話したくても声が出ないお子さんへの理解と支援
更新日: 勉強方法
「家ではよく話すのに、学校ではほとんど声が出ない」
「先生に返事をしたり、友達と話したりすることが難しそう」
あすなろにも、場面緘黙のお子さんを持つ保護者さまからご相談をいただくことがあります。
お子さんの様子を見ていると、「どうして家では話せるのに、学校では話せないのだろう」と不思議に感じたり、周囲に理解してもらえず苦しくなったりすることもあるかもしれません。
今回は、場面緘黙がどのような状態なのか、原因や困りごと、望ましい対応、相談先についてご紹介します。
場面緘黙とは
場面緘黙(ばめんかんもく)とは、家庭など安心できる場所では話せるお子さんが、学校や園、人の多い場所など、特定の場面では話したくても声が出なくなる状態です。
「わざと話さない」「恥ずかしがり屋だから話さない」ということではありません。
声だけでなく、うなずく、手を挙げる、発表する、トイレに行きたいと伝えるなど、周囲とのやり取り全体が難しくなることもあります。
場面緘黙は不安との関係が深く、厚生労働省の資料でも発達障害に含まれることがある状態として紹介されています。
ただし、特性の現れ方はお子さんによって異なるため、決めつけずに様子を見ていくことが大切です。
何が原因なのでしょうか
場面緘黙の原因は、ひとつに決められるものではありません。
もともとの不安の感じやすさ、気質、環境の変化、発音や言葉に関する困難、人との関わりで感じた緊張など、いくつかの要因が重なっていると考えられています。
大切なのは、保護者さまの育て方や、お子さんの努力不足が原因だと考えないことです。
本人も「話さなければ」と思っているのに、体が強く緊張して声が出ないことがあります。
無理に話させようとすると、かえって不安が強くなる場合もあります。
学校生活で起こりやすい困りごと
場面緘黙のお子さんは、授業中の発表や音読、音楽の歌唱、係活動、給食の希望を伝えることなどで困ることがあります。
困っていても先生に伝えられず、体調不良やトイレなどの必要なサインを出せないこともあります。
また、話せないことで「やる気がない」「無視している」と誤解されたり、友達との関係づくりに時間がかかったりすることもあります。
学習内容を理解していても、口頭で答えられないために力を発揮できない場合もあるでしょう。
望ましい対応は「話すことを急がない」こと
まずは、話すことを目標のすべてにしないことが大切です。
うなずき、指差し、筆談、タブレット、表情など、お子さんが使いやすい方法で意思を伝えられるようにしましょう。
「返事をして」「声を出して」と繰り返し促すよりも、安心して参加できる方法を一緒に考えることが有効です。
学校では
学校とは、次のような配慮を相談してみましょう。
・発表や返事を、筆談・選択肢・個別の声かけで代替する
・人前で突然指名せず、事前に伝えて心の準備をする
・安心できる先生や友達、場所をつくる
・できたことを結果だけでなく、取り組んだ過程も認める
慣れていく際も、いきなり大勢の前で話すのではなく、安心できる大人と小さな声、短い返答などから段階的に進めます。
進み方はお子さんによって違います。
「今日はここまでできたね」と小さな変化を認めていきましょう。
どこでサポートを受けられるのか
最初の相談先は、担任の先生や養護教諭、スクールカウンセラーです。
学校での様子を共有し、合理的配慮や特別支援教育につなげてもらえることがあります。
医療機関では、小児科、児童精神科、心療内科などで相談できます。
発達障害者支援センターや自治体の教育相談、子ども家庭支援センターも選択肢になります。
相談の際は、「どの場面で話せるか」「どの場面で難しいか」「声以外ならどう伝えられるか」をメモしておくと、支援方法を考えやすくなります。
まとめ
場面緘黙のお子さんに必要なのは、無理に声を出させることではなく、「伝えられた」「ここにいて大丈夫」と感じられる経験です。
保護者さまだけで抱え込まず、学校や専門機関と連携しながら、お子さんに合ったペースで支援を考えていきましょう。
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