発達障害・グレーゾーンのお子さんの学習の遅れ、どこから取り戻せばいい?
更新日: 発達障害
「学校の授業についていけていない気がする」
「何年生の勉強からやり直せばいいのかわからない」
「勉強をすすめると、お子さんが嫌がったり親子げんかになったりする」
発達障害やグレーゾーンのお子さんを育てている保護者さまの中には、このような悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
学習の遅れが気になる時、すぐに今の学年の勉強をたくさんさせようとすると、お子さんの負担が大きくなることがあります。
まずは「どこでつまずいているのか」「どんな方法なら取り組みやすいのか」を見つけることから始めてみましょう。
発達障害があると、学習の遅れが出ることがあります
発達障害の特性は、お子さんによってさまざまです。
ADHDの不注意や集中の続きにくさ、ASD(自閉スペクトラム症)の見通しを持ちにくい特性、学習障害の読み書きや計算の苦手さなどが、勉強の進みに影響することがあります。
例えば、先生の説明を聞きながらノートを書くことが難しい、問題文を読むのに時間がかかる、途中で気がそれて課題が終わらない、といったことです。
これらは努力不足とは限りません。
学習のどの部分に負担があるのかを分けて考えることが大切です。
学習障害(LD)では、全般的な知的発達に遅れがなくても、読む・書く・計算するなど特定の能力に著しい困難があることがあります。
勉強ができないように見えても、実際には特定の作業だけに大きな負担を感じている場合があるのです。
まずは「何年生」ではなく「どこまでわかるか」を確認する
学習の遅れが気になると、「早く学年相当まで追いつかせなければ」と焦ってしまうかもしれませんね。
けれども、最初から今の学年の問題に取り組むと、わからないことが多く、自信を失ってしまうことがあります。
大切なのは、教科書の学年ではなく、現在のお子さんがどこまで理解できているかを確認することです。
例えば数学なら、分数でつまずいているように見えても、その前の割り算や約分が十分に身についていないことがあります。
国語なら、文章全体が読めないのではなく、漢字や言葉の意味で止まっているのかもしれません。
最初は、少し簡単に感じる問題から始めてみましょう。
「これはできる」「ここは手伝ってほしい」と分けていくと、学習のスタート地点が見つかりやすくなります。
家庭学習でできる三つの工夫
家庭で勉強を始める時は、次のような工夫が役立つことがあります。
・一回の勉強時間を短くし、終わりを先に伝える
・問題を一度にたくさん出さず、まず一問だけ取り組む
・できた問題や取り組めた時間を記録する
「30分勉強する」よりも、「漢字を3問だけ」「計算を2問だけ」と具体的にすると、お子さんは見通しを持ちやすくなります。
終わりがわからないことに不安を感じる場合は、タイマーや予定表を使うのもよいでしょう。
また、読むことや書くことが苦手なお子さんには、問題を読み上げる、答えを口で説明してから書く、タブレットやキーボード入力を一部使うなど、方法を変える工夫も考えられます。
「できない」ではなく、つまずき方を見つける
仮の事例ですが、中学1年生のお子さんが数学のテストで思うように点数を取れず、「自分は勉強ができない」と話していたとします。
よく確認すると、難しい文章題だけでなく、分数の計算や問題文の読み取りにも時間がかかっていました。
この場合、いきなり中学数学の問題を解き続けるより、小学校の計算を使って正確さを確認し、問題文の大事な言葉に線を引く練習から始める方法があります。
できない部分を責めるのではなく、どの段階で困っているかを見つけることが、学習の遅れへの対応につながります。
発達障害の診断を受けている場合も、まだ診断はないけれどグレーゾーンかもしれないと感じている場合も、保護者さまだけで判断を抱え込む必要はありません。
学校の担任の先生や特別支援教育コーディネーター、教育相談などに、「授業のどの場面で困っているか」を具体的に伝えてみましょう。
必要に応じて、医療機関や発達障害者支援センターなどへ相談することもできます。
お子さんに合う学び方を探すために
学校の一斉授業だけでは学びにくい場合、家庭学習、通級による指導、個別指導、家庭教師など、複数の方法を組み合わせることもできます。
家庭教師など一対一の学習では、読む・聞く・書く・考えるのうち、どこに負担があるのかを確認しながら進めやすい面があります。
大切なのは、勉強量を増やすことだけではありません。お子さんが「これならできそう」と感じられる内容やペースを一緒に探すことです。
学習の遅れがある時、取り戻す道のりは一人ひとり違います。
小さな内容から始めても、できた経験を積み重ねることで、次の勉強へ進む力になります。
保護者さまが焦りを感じた時こそ、「何ができないか」だけでなく、「何ならできるか」に目を向けてみてください。
学習の遅れは、お子さんの努力不足だけで起きているとは限りません。
責めるよりも、観察して、相談して、学び方を工夫する。その積み重ねが、お子さんの自信とこれからの学びを支えていきますよ。
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