『ドパガキ』とは?ショート動画がやめられないお子さんに保護者さまができること
更新日: 勉強方法
「何度声をかけてもショート動画を見続けてしまう」
「『次で終わり』と言っても、また次の動画を開く」
「以前より勉強や会話が減った気がする」
お子さんのそんな様子を見て、保護者さまが「ドパガキになってしまったのでは…」と心配になることがあるかもしれませんね。
「ドパガキ」は、「ドーパミン中毒の子」を縮めたネットスラングとして使われる俗称で、医学的な診断名ではありません。
ショート動画を次々に見続け、ほかのことに取り組みにくくなっている様子を指すことがあります。
「ドパガキ」と呼ばれる現象と脳のはたらき
楽しいことや達成感のあることをした時、脳内ではドーパミンなどの神経伝達物質がはたらきます。
ドーパミンは「もう一度やってみよう」「次は何が出るだろう」と行動を学習・強化するしくみに関わる、誰にでも必要なものです。
ドパガキという言葉から「ドーパミンが悪い」と受け取られがちですが、そうではありません。
ショート動画は、画面を指で送るだけで次々に再生されます。
笑える動画、驚く動画、好きな話題がいつ現れるかわからないため、「もう1本だけ」と次を確かめたくなりやすいしくみです。
無限スクロール、自動再生、通知、おすすめ表示には、いったん手を止めるきっかけが少ないという特徴があります。
自制心や計画を立てる力、衝動を止める力に関わる脳のはたらきは、思春期から若い時期にかけても発達の途中です。
一方で、目新しさやすぐ得られる楽しさに反応する報酬のしくみは、早い時期からよくはたらきます。
つまり、次の動画というすぐ目の前の刺激にひかれる力と、「ここで終わりにしよう」と止める力の育ち方には差があります。
お子さんが次々と動画を見てしまうのは、意志が弱いからと決めつけられるものではありません。
発達の途中にある脳のしくみと、注意を引き続けるよう設計されたサービスの特徴が重なって、止めにくくなることがあります。
何が問題になりやすいのでしょうか
「ドパガキ」は医学的な状態を表す言葉ではなく、ショート動画の見過ぎだけを診断する基準もありません。
大切なのは、動画が睡眠、食事、学校、勉強、家族や友達との時間をどの程度押し出しているか、本人がやめたいのにやめられず困っているかです。
利用時間だけで判断せず、生活全体を見ていきましょう。
宿題に取りかかれない、遅刻や欠席が増える、オンライン上のトラブル、家庭内や友達などとの人間関係の問題など、生活の色々な場面で困りごとがないか確認してみましょう。
海外では、無限スクロールや自動再生のような、利用を続けさせやすい機能への規制を検討・導入する動きもあります。
お子さんだけの自己管理の問題にせず、サービスのしくみと生活環境の両方から考える視点が必要です。
家庭でできる対策は、いきなりゼロにしないことから
ショート動画を見る時間を減らすのは、本人の我慢だけでは難しいことがあります。
大人でも、次々と見てしまう習慣を変えるのは簡単ではありません。
自制心や衝動を止める力が発達の途中にあるお子さんなら、なおさらです。
「本人がだらしないから」と責めるのではなく、大人が端末の設定や生活の環境を整え、止めやすい仕組みを一緒につくることが大切です。
急に端末を取り上げると、親子の対立が強くなったり、隠れて使う方向に向かったりすることがあります。
まずは保護者さまとお子さんが一緒に、睡眠、食事、学校、勉強を優先するための小さな約束を決めてみましょう。
■夜は就寝1時間前から端末をリビングの充電場所に置く、食事中は画面を見ないなど、「使わない場所・時」を先に決めます。
寝室には持ち込まない工夫も有効です。
■通知を切る、動画アプリの自動再生をオフにする、利用時間の上限やフィルタリングを設定します。
画面を白黒表示にして色の刺激を減らす方法も、手を伸ばすきっかけを少なくする補助策の一つです。
■空いた時間に何をするかを一緒に用意します。
散歩、入浴、スポーツ、読書、好きな音楽、短時間の家庭学習など、画面以外で気分転換できる選択肢を増やしましょう。
ルールを破った時も、責めるより「どの場面で止めにくかったのか」を一緒に確認してください。
必要があれば相談先の力も借りながら、少しずつ生活のリズムを取り戻していきましょう。
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